補習校と「ことばブリッジ」、それぞれにしかできないこと
※このコラムは、お近くに日本語補習校がある地域にお住まいの方を想定しています。
「今通っている補習校をやめて、こちらに切り替えるべきでしょうか」——そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。結論から言うと、私たちはそうした乗り換えをお勧めしてはいません。補習校と「ことばブリッジ」は、そもそも担っている役割が違うからです。
補習校には、教科の内容を学ぶ場であることに加えて、同じ立場の子どもたちと出会える場であるという、もう一つ大切な価値があると思います。
海外で暮らす日本人の子どもにとって、週に一度、同じように二つの文化・二つの言語の間で生活している仲間に会えることには、教材だけでは代えがたい意味があります。運動会や学芸会といった行事を通じて、日本の学校らしい体験そのものに触れられることも、補習校ならではの価値です。こうした「仲間集団としての場」は、1対1のオンラインレッスンでは決して作ることができません。
その一方で、補習校には運営上、避けがたい難しさもあります。日本の学校が5日間かけて教える内容を、週1回の授業に凝縮しなければならないため、授業も宿題もどうしても密度が高くなりがちです。しかも一斉授業という形式上、一人ひとりの理解度やペースに合わせて進度を調整することは容易ではありません。結果として、宿題をこなすだけで精一杯になってしまったり、逆に物足りなさを感じてしまったりと、お子さんによって受け止め方に差が出てしまうのは、無理のないことだと思います。
「ことばブリッジ」が大切にしているのは、1対1という形式だからこそできる、学年や一斉授業のペースにとらわれない進め方です。お子さん自身の今の力に合わせて、聞く・言い換える・書くという基礎を、平日のうちに少しずつ積み上げていきます。
補習校が担う「仲間との時間」や「行事を通じた体験」はそのままに、平日のうちに、お子さん自身のペースで日本語の力を育てておく——そんな関係を目指しています。
対面の授業と比べて、画面越しのレッスンにどこか物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。けれども「ことばブリッジ」では、1対1だからこそ生まれる密度の高いやりとりと、レッスンごとの記録が手元に残る仕組みを大切にしています。画面越しであることが、学びの質を下げる理由にはならないと、私たちは考えています。